提案力とは?

(2020/12/19 過去投稿 再UP)

「あなたの技能を教えてください。俺も本気で効果のでる施術ができるプロになりたいんです」

店舗をかまえてから1年後くらいに、そう言って従業員希望の子が押し掛けてきた

その子は元大手のジムに勤めていたアスレチックトレーナーだった

 

雇ってみて、俺は手取り足取り懇切丁寧に技能を教えた

が、どうも俺のする骨格矯正術の難しさに辟易しているようだった

 

あの意気はどこへやら早くも心は折れかかっていた、それはこちらが何年もかけて磨いている技能が一朝一夕で身につくはずはない

それでもそのエッセンスを取り込んで、自分の施術に落としこんでもらいたかった

 

数ヶ月たって、何とかそれなりには仕上がったので、価格を抑えたモニター料金で集客して、実践の場に立たせてみたら、彼にはそれ以前に問題があることがわかった

 

接客においてのホスピタリティーや、悩みを細部まで聞いてそれに対して応えるカウンセリング、次どうすればよいかのガイダンスなど、改善に必要なことを明確に伝える「提案力」といった、“安心”してもらう術を怠っていた

 

私も教えたつもりではいた

 

しかし、何度かそのことについてこちらも熱心に説いて、実践して練習していたけど、本人は元々技能を学びにきたのだから、そこには特に関心をもっていなかったのか、その教えは右から左にしていたようだ
提案力だなんだと言いながら、私も自分自身の指導力の甘さを痛感した

 

その子が100人のモニターをこなしたとき、施術に関しては凄い!効いた!など喜んでもらえていたのに、100人全員がリピートしなかった

 

その結果にその子はついに心が折れて退職を申し出てきた

 

1人の顧客に熱心にならなくても、組織がセールスレターやキャンペーンなど、次々とリピートしてもらうために資金をかけたマーケティング戦略をしてくれる大手グループや、インフルエンサーによってブランディング済みの人気店のように、黙っていても新規が次々くるほど個人事業主は甘くない

 

今日、目の前に来た人にどれだけ自分を認めてもらい、次に可能性を見出だしてもらえるよう、明確に道を提示する提案力と、細部への気遣いがないと再来することはほとんどない

 

その信頼の積み重ねで顧客をつかんでいけるか

生き残る人とそうでない人はそこが違う

 

大手、人気、有名と名のつくグループに属していた人は特にそこの認識が甘い気がする

 

施術の技なんかすぐ盗めるわけないのに

そういったコミュニケーション能力やホスピタリティーなどの「営業努力」は、意識さえ変えればすぐ真似ることができるには無頓着でいる

 

その子にはそういったことへの意識があまりにも欠落していたのだ

 

提案力とは?

相手にわかりやすく自分の技術やサービスの強みを“伝える力”

 

なぜ必要なのか

提案とは、相手に自分のことを必要だと「理解」と「共感」をしてもらう術であり、

その先にある「信頼関係」につなげる能力です

 

どれだけ相手の悩みを改善する技術があっても、それが必要だと理解されなければ信用してもらえず、効果を出すまでにいたりません

 

「良いもの」を「良い」とわかってもらうことが重要です

 

・信頼できる人、話を聞くに値する人、話しやすい人といった印象をもってもらうこと

・自分の提供するものがいかに有用であるかを相手に説いて、実際に行動してもらうこと

・効果と安全性を保証できるものかを伝えることで、安心感と信用を覚えてもらうこと

 

これが出来ていないせいで、腕は素晴らしいのに売れていない人達はたくさんいます

 

そのため「技術力」と「提案力」はセットで身につけておくべき能力になります

 

どう活用するか

提案力は、以下に応用されます

 

・自分の技術やサービスを理解/共感してもらうプレゼンの訴求力

・カウンセリングやインフォームドコンセントで、知識や意図を伝達する説明力

・インストラクターやトレーナーとしての指導力

・継続の必要性やプラン価格に納得してもらうクロージングでの交渉力

・次回予約や独自のサービス、商品の内容について案内する営業力

・顧客から質問されたことに明確に答えるアドリブ対応力

・顧客との信頼をつくるコミュニケーション能力

特に対面型ビジネスでは、自分を信用してくれる人を増やすことが仕事の本質になります

 

自分の信じる理論や理屈、手技や腕前、指導力やテクニック、そして良い人間性を効果的に伝えていくことが「信用」につながります

 

提案力を強化する4つの項目

提案力は、言葉での伝達力はもちろん、人柄や店内の雰囲気、誠意ある対応、楽しいコミュニケーション、効果の体感などによって、提案する内容に信憑性を増させることができます

①人柄

せっかくの提案も、それを伝える自分のイメージが胡散臭くては、いくら口先がうまくても効果は半減します

 

礼儀ある人間性、他人を思いやるホスピタリティー、人との会話を楽しむ社会性ある自分へのマインドセット、そして来てくれた顧客が安心する店づくり

 

それらで、人となりがわかるキャラクターを確立することで、コミュニケーションは一気にしやすくなります

 

②伝え方

シンプルで分かりやすく、相手に刺さるワードを論理的にプレゼンできることは、提案力をぐっと引き上げます

 

自身の技術の魅力や必要性を、より体感してもらうことで興味関心を持たせること

 

そして、相手の立場になり、目線を合わせて、次にとるべき具体的な行動まで導くことができる「意思伝達の正確さ」は何より強い武器になります

 

③会話力

相手に楽しんでもらえるような「雑談」ができることは信頼関係を築く上で役立ちます

 

そのためには、相手の話にも「傾聴」して、共通の話題を探したり、良い「質問」をしたりといった、楽しませるコミュニケーション能力が必要です

 

会話が苦手でも、自身の「エピソードトーク」を話すときの“コツ”を覚えて、回数をこなして場慣れしていけば、かなり上達することができるはずです

 

ただし会話には、共感するための理解力・語彙力・教養・社会性が重要になってくるので、ある程度は知識に触れておく向学心も必要です

 

④DM

会っているときだけがコミュニケーションではありません

むしろ会っていないときほど、提案するタイミングです

 

人は忘れる生き物なので、律儀な「報告・連絡・相談」をこまめに繰り返すことで、提案したことと、自分という存在を思い出してもらうことが重要です

 

ただし個人で送る際は、ビジネスメールを連想させる内容は避けて、人と人とのコミュニケーションツールとしてDM(ダイレクトメッセージ)を利用しましょう

 

提案力の効果

こうした提案力を磨くことで、より良い施術・指導・提供・取引に活かされる「信頼関係」が築けます

 

この人は信頼できる人だと相手に1度思ってもらえることで、こちらが勧めなくても自分を選んでもらえるようになります

 

相手が自分を信じて行動してくれるようになれば、提供する施術やプログラムに対するモチベーションも上がって、効果を底上げすることにも繋がります

 

それは、その人が自らの生活や美意識を見直すことにもつながり、

こちらが提示した自宅でのトレーニングやメンテナンス、食事の管理もすすんで挑戦してくれるようになっていきます

 

さらに「信頼関係」ができてしまえば、相手と自分に「楽しみ」が生まれます

 

自分の提案や会話がうまくはまることで、こちらは相手をもてなすことが楽しくなり、自然に良い振る舞いをとれるようになり、相手もリラックスしてその時間を楽しんでくれるようになります

 

距離が縮まって関係性ができることで、相手側も要望や疑問を伝えやすくなり、お互いのコミュニケーションが円滑に回ります

 

そうすれば施術やプログラムは1つの「エンターテイメント」にもなって、居心地の良さや楽しい時間まで提供できるようになり、価格以上の価値もできる

 

こうして効果だけでなく、顧客満足度も上がっていきます

支持が集まることで、常連も増えていき、経営も安定していきます

 

技術を磨くことに没頭しすぎた人ほど口下手で、伝える力が足りていません

 

ただし、技術がないまま提案力を磨いてもそれは詐欺になりますのでお気をつけください

 

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